福岡市中央区天神の中央レディスクリニックは、不妊治療を行う婦人科医院です。当クリニックの不妊治療は、タイミング指導から、人工授精、ART(体外受精・顕微授精)までの質の高い医療を行っております。

不妊治療

不妊症とは…

通常のご夫婦は、避妊をされなければ、1年間で80%、2年間で90%が妊娠されるといわれております。
1年以上妊娠されない場合は、病院を受診された方がよいでしょう。

手術療法

  • 1. 腹腔鏡
    4~5年以上の長期不妊の方、診察や子宮卵管造影などで卵管周囲の癒着や子宮内膜症が疑われる方、多嚢胞性卵巣による排卵障害の方、卵巣嚢腫や子宮筋腫の方などに行います。おへそのくぼみの部分に1.2cmの小切開を加え、そこから望遠鏡のような腹腔鏡をおなかの中にいれて、検査・手術を行います。5~7日間の入院が必要です。おもに、浜の町病院、福岡山王病院などを利用しております。
  • 2. 子宮鏡
    超音波検査や子宮卵管造影などで、子宮内腔に筋腫やポリープなどが疑われる場合や内腔に癒着が疑われる場合、体外受精・顕微授精でなかなか妊娠しない場合などに行います。胃カメラの様な細いファイバースコープを子宮の中に入れて、子宮内部を観察します。ポリープや癒着を認めた場合は、手術を行います。日帰り手術です。
    料金

    約¥8,000

    ※概算・保険適用内

  • 3. 卵管鏡(卵管開口術)
    子宮卵管造影で卵管が間質部や峡部で閉塞している場合に行います。凧糸位の太さの卵管鏡を子宮側より挿入し、その先端部に付いたバルーンを膨らませることで卵管を拡張し、癒着を剥離します。80%の卵管で開通することができ、開通した方の40~50%で自然妊娠に成功しています。
    卵管鏡下卵管形成術について詳しくはこちら
    料金
    片側卵管形成術: 約¥150,000
    両側卵管形成術: 約¥280,000
    概算・保険適用内
    高額療養費制度の適用となるため(所得によっては適用外)、ご自身で手続きされると3か月後には自己負担額を超える金額(所得により金額は異なります)が返還されます。
    FTを試みたが、卵管口にカテーテルが入らず不成功だった場合でも、使用器具が使い捨てのため、片側分の料金をお支払いいただきます。
    民間保険の入院・手術保険の支払いの対象となりますので、診断書が必要な場合は、当日持参し、受付に提出してください。(加入されている保険の種類によっては該当しない場合もありますので、あらかじめご確認ください)
  • 4. 開腹手術
    子宮筋腫などで受精卵の着床が障害されていると疑われる場合、卵巣嚢腫などで採卵が障害されていると疑われる場合などに行います。お腹を開けて、手術します。約2週間の入院が必要です。おもに、浜の町病院、福岡山王病院などを利用しております。授精させます。受精卵は子宮内への移植に適した2~5日間培養します。アシスティド・ハッチングおよび胚盤胞移植をご希望の方は、あらかじめ申し出ておいてください。

卵管鏡下卵管形成術(FT)のご案内

以前は、卵管閉塞の治療として、開腹手術による卵管開口術や体外受精が選択されていました。
近年、内視鏡手術の進歩により、子宮の入り口からアプローチして、卵管内部の癒着を治療する卵管鏡下卵管形成術が開発されました。身体への負担も少なく、卵管を元の太さへ戻すことで自然妊娠への道が開けます。

適応:子宮卵管造影で卵管閉塞や狭窄の認められた場合

適応のある場合は、医師が手術をお勧めいたします。但し、卵管采(卵管の先端部分)付近で閉塞している場合や、お腹の中でひどい癒着が予想されて、自然妊娠が困難な場合は、お腹からアプローチする腹腔鏡を選択し、この手術の適応にはなりません。
また、FTバルーンが様々な原因により卵管内にうまく挿入できない場合があります。うまく挿入できても卵管内の癒着が強くて再開通できないこともあります。

効果:卵管を開通させ自然の状態に戻すことで、自然妊娠や人工授精による妊娠が期待できます。
内視鏡で卵管内部の状態を観察することで、自然妊娠の可能性を評価することができます。

この手術で75.5%の卵管が再開通します。術後1ヶ月して再び卵管造影を行います。卵管造影後に卵管通過を確認できた最終的な卵管通過率は53.3%です。FT実施後の一般治療(タイミング・人工授精など)での妊娠率は、53.8%です。FTを受けてから妊娠までの期間は、3~4ヶ月が平均となっております。
妊娠される方の90%は、術後6ヶ月以内です。
この手術で開通できない場合、術後すぐに再閉塞した場合は、患者様の状況に応じて、体外受精などの治療変更を相談することになります。

麻酔:通常は局所麻酔で行います。痛みに応じて静脈麻酔を追加することがあります。

副作用:麻酔に伴う危険は他の手術と同程度です。腹腔内に出血をおこし、入院を必要とする可能性がまれにあります。手術後に腹痛や少量の出血、発熱を伴う可能性があります。妊娠された場合の子宮外妊娠の可能性はありますが、自然妊娠と比べ有意に高いものではありません。

卵管鏡手術について

細い内視鏡(卵管鏡)を内蔵したカテーテルを膣から子宮へと挿入し、卵管に近づけます。
カテーテルに内蔵した風船(バルーン)を膨らませて、卵管内へ進めます。
さらに閉塞部まで進めて、詰まっているところを広げます。
バルーンを回収する際、卵管内の様子を、卵管鏡を使って観察します。

手術の手順
  • 1)手術当日は、起床後より絶飲食をお守りください(安全な麻酔のためです)。
  • 2)予約時間に来院し、受付で診察券・同意書・体温表をお出しください。
  • 3)手術前後にお休みいただく、安静室に案内の後、手術ガウンに着替えていただきます。
  • 4)準備が整いましたら、手術室にご案内し、手術を行います。手術時間は30分くらいです。
  • 5)術後2~3時間安静の後、医師より卵管内の状態・今後の治療方針についての説明があります。
  • 6)退院後も麻酔の影響が残る場合がありますので、来院の際は公共交通機関でおこしください。
  • 7)1週間後に来院し、術後の状態を確認いたします。
  • 8)1ヵ月後に、再度卵管造影を行い、卵管の再閉塞の有無を判定いたします。
手術時・手術後の痛みについて

患者様に卵管内の状態をリアルタイムで確認していただくため、原則として局所麻酔で手術を行います。卵管内をバルーンが通る時や、卵管内の通りを良くする薬液を流す時に痛みがありますが、卵管が開通する自覚症状ですので、頑張って乗りきってください。
痛みは個人差がありますが、全く痛くない、生理痛みたい、お腹を壊したときみたいなど様々です。
ご希望により、静脈麻酔をいたしますが、その場合はリアルタイムの映像はお見せできません。
術後は、痛みがあっても15分位で消失いたします。痛みが強い場合は、痛み止めの座薬を使用します。

手術後の注意事項

感染予防のために抗生剤の薬を処方しますので、夕食後より服用してください。
手術当日は安静にしていただき、入浴は控えてください(シャワー浴は構いません)。翌日からは、日常生活が可能です。
3~4日は少量の出血があるかもしれません。
術後の性生活は、翌日からのタイミングをお取りいただいて構いません。卵管が開通した方から排卵している場合は、積極的に試みることをお勧めいたします。

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